FFTレビュー シナリオ編
FFTでキーになる人物は、貴族の名家に生まれた主人公ラザムとその親友の平民のディリータ。
その平民出のディリータが王国を統一するという歴史の表舞台の陰で、世界を破滅に導く危険な陰謀を追いかける中で異端者として歴史の闇に葬られたら主人公ラザムの物語である。

勝ち組である貴族と負け組である平民というその世界の人々には当然の構図の中で、貴族やそれに抵抗する勢力の闘争の中で巻き添いの形で命を落としたディリータの妹。この事件をきっかけにディリータとラザムはそれぞれの道を進み歴史の流れが加速する。
それぞれの立場の生々しいセリフが各シナリオバトルやイベントの中で展開されるが、例えばこれを学生時代などに聞いていれば「むかつく悪党め!ぶっころす!」的な反応を示していたかもしれない。今そのセリフを聞いた時、「こいつの言っている事も一理ある・・・」的にそのセリフに共感を覚えてしまったりする。これが大人になるということか・・・みたいな。
すさまじいまでのコンプレックスからはき出される人間の生々しい声、そこに来て「何をいまさら疑うものか!私はお前を信じる!」というアグアリスの名セリフにはぐっときてしまう。
とにかくこのFFTはセリフが非常に良い。それは敵も味方も。

基本的に話は重く大団円で終わるお話ではなく、そもそも主人公ラザムは後の歴史では異端者として扱われている。
成り行きで獅子王ディリータ側についたラザムの友が、ラザムの偉業を後世に残すために書き記した本が、王国に危険視され発禁本となり著者(ラザムの友)は火あぶりの刑となる。その後数百年後にこの本は公開され、火あぶりにされたラザムの友の子孫によって、ずっと異端者とされてきたラザムとその本の著者が名誉回復されるというエピソードがエンディングに挿入されている。
最後のシーンでは、あらゆるものを利用してきた獅子王ディリータが、王女に刺され、刺された短剣で刺し返すというショッキングなシーンで終わる。なんとも後味の良くないところであるが、そうした血みどろの表の世界で生きる道を選んだ成り上がりのディリータとは裏腹に、貴族や家名を捨て、幸せそうに旅立つラザムと妹アルマが印象的だ。
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by Millicent | 2007-06-12 12:35 | PSP
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